民族楽器やテクノ、ドラム、ギターなどの音源集。DTM、DJ、クリエイター向けのサンプリングCD販売はディスカバリーサウンド。

アーケード・家庭で熱狂、往年のビデオゲーム。
そのサウンドが現代に、8ビット・アンソロジー。

　高品位チープ・ループ・グルーヴの来襲、 温故知新のビデオゲーム・サウンド集。ライトに響くシーケンスメロディや効果音にも最適のショットなど、矩形波・三角波・ノイズの音色を駆使して贈る、待望のライブラリー。

　1978年からすでに四半世紀を経過した。この年のミュージックシーンは、『サタデー・ナイト・フィーバー』の映画・主題歌の大ヒットに代表される、世界的なディスコサウンド・ブーム一色だったといえるかもしれない。それほどまでに、ディスコサウンドは津波のような勢いで、多くのクリエイター/プロデューサーたちをさらっていった。このジャンルのサウンドは、興味深いことにどの楽曲もほぼ同じBPMを刻んでいるが、80年代に入ると、急速に陳腐化してゆくことになる。

　同年、もう1つのブームに日本は侵略された。『インベーダーゲーム』は、元祖・亜流を含めてあらゆる喫茶店を征服し、“ゲームアーケード”なる征服拠点を設置していった。音響的見地からいえば、多くの日本人が“ビット”サウンドを刷り込まれた最初の年でもある。同時に爆発的な地球規模の侵略へと拡大してゆく。『パックマン』はその代表的なビデオゲームであり、米国では82年に、バックナー＆ガルシアというユニットが、その効果音を存分に配置した『パックマン・フィーバー』なる楽曲をビルボード誌のベスト10に送り込んでいるぐらい、その影響力は大きいものだった。そして、単純で無音だらけの独特なバックグラウンド・サウンドは、やがて『スーパー・マリオ・ブラザーズ』のような親近感のあるメロディーを奏で、家庭にも加速度的に浸食を進めていくことになる。

　ここに紹介するライブラリーは、熱心なディスカバリー・ファンのリクエストにより実現した、ビデオゲーム黎明期のサウンド・ループ集。キッチュながらもシンプルな8ビット・サウンド（矩形波・三角波・ノイズ）を可能な限り収めた。あわせて、ソフトウェア・サンプラーのEXS24とHALION用ファイルを緊急収録、キーボードにアサインを可能とした。応用方は自由自在だが、実際にクリエイター自身のオリジナル楽曲を創出するために活用いただくのがふさわしい。安っぽいと揶揄されたディスコサウンドも、今日では多くのアーティストに引用されている。同様に8ビットのサウンドも新しいトレンドを掘り起こすことができることだろう。



KEYBOARD誌のコメントを一部引用してみよう。

『パリパリ、ガリガリ、そしてこの安っぽさ。これらの言葉は、この作品がもたらす最高峰のビデオゲーム・サウンドをうまく表現しており、同時に愛情に満ちた贈り物である。古典的なゲーム・サウンドのユニークな特徴・性質を収録しているが、構成要素が斬新であり、そのすべてがオリジナリティにあふれている。( 中略 ) 本作品の機械的なサウンドは、驚異的な分散和音・反復楽節の移動を繰り返し、どのようなラップ・ミュージックのリズムパート演奏者よりも、すっかりイカれたドラムトラックとサウンド効果のすばらしい組み合わせにより、汚く、ハードに、攻撃的でコミカル、そしてワイルドなバカバカしさで、的確に表現をする。( 中略 )「8ビット・ファミリー」は満塁ホームランであり、"KEY BUY AWARD"以上の価値がある。』
- Mr.KEN HUGHES(ケン・ヒューズ氏)