和魂の究極に、一心の到達を実現。 繊細にして熱演の三昧サウンド、完成。
時代劇が若年者のあいだでブームだという。たしかに、日本制作の劇映画は時代劇が多くなり、それぞれがヒット、ハリウッド映画も数本の日本刀を振り回す映画を準備中とのこと。このブームの推進役は、宮崎駿監督の近作2本という説がある。それぞれ日本で国民的ヒットを記録した同監督のアニメーションは、古い日本を舞台にしていることが共通点。つまり、子供までもが、少なからずも古い日本の風俗・文化・様式美を刷り込まれたことになる。そして、我が国をあらためて見直すきっかけを与えてくれた2本の映像は、時代劇への興味をかつてないほどスムーズにもたせてくれたという
「三味線」という楽器は、おそらくは中国から流入してきた琵琶などの系譜に属するものだろうが、これほど日本人の耳になじんだサウンドは無いだろう。尺八は抑揚がが少なく、琴はゴージャスだが手軽さはない。絹糸かた紡がれた、たった3本の弦は喜怒哀楽のすべてを情感豊かに表現する。
時代劇には、多くのシーンで三味線の姿を見つけることができるが、現代においては空想であるその舞台でも、当時の日本人の心を代弁するものとして最適なツールといえる。しかし、アイデンティティが不確定な現代人にこそ、三味線のサウンドを理解すべきなのかもしれない。
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