チベット仏教に重用される稀少な楽器群、
民族の主体を表現する唄と演奏。
知られざるチベット楽音の特典映像を収録した
「チベット音源」コレクション。
中国共産党の占領支配下にあるチベット自治区では、チベット人が守り続けてきた伝統・文化が著しく制約され、言語や宗教活動、さらには古くから受け継がれてきたチベット伝統音楽もが消滅の危機にさらされている。
今作が提供する音源は、1959年、ダライ・ラマがインドへ亡命した後に築き上げられたチベット亡命政府下の難民入植地(インド北西部ダラムサラ)にて、収録が行われている。チベット難民約十数万人が暮らすこの地では今なお古のチベット楽音が息づいており、知られざる真のチベット・サウンドを収録することに成功した。
チベット文化を代表するのが「チベット仏教」。 チベットの寺院で行われる法要には、音で神や仏を喜ばせる(供養する)という意味を込めて、数、種類共に多くの楽器が用いられる。「アイ・ラヴ・チベット」は、そんなチベット仏教音楽に必須の楽器群(打楽器・管楽器・お経)を筆頭に、三味線・胡弓(こきゅう)・楊琴(ようきん)に類似した弦楽器、表現力豊かな節の強いチベット・オペラを中心に構成された、644MBのCD-ROM。寺院で繰り広げられる大勢の僧侶たちによる壮大な仏教音楽の生演奏のほか、チベット民族音楽を背景に、民族舞踊や演奏風景を収めた特典映像にもぜひご注目を。
仏教音楽に用いられる楽器の種類は、大きく打楽器と管楽器の二種類に分類され、打楽器には手に持ってリズミカルに打ち鳴らす「Nga|ンガ」、デンデン太鼓に似た「Damaru|ダマル」などの太鼓類、そして楽曲全体の調子をとるシンバル「Book Chen|ブクチェン」といった金属楽器がある。管楽器には、メロディーを担うチャルメラ「Gyaling|ギャリン」、法要開始の合図に用いるホルン「Dhunchen|ドゥンチェン」、行進の際に用いるホラ貝「Dhung|ドゥン」などが含まれる。
今作にはこれらの楽器を余すとこなく収録しているほか、今やあらゆるジャンルの音楽にも大いに取り入れられている種類豊富なお経の数々を収めている。神・仏を褒め讃える言葉が静かに詠われている「Mantra|マントラ」、大勢の僧侶たちによるお経の大合唱とでも言うべき「Chant|チャント」はアクセントとしてのみならず、メロディーとしても活きるサウンドである。
「アイ・ラヴ・チベット」は、こうした珍しい楽器や声の音源をループとワンショットで提供しているほか、マルチサンプリング・ファイルとして、三味線にあたる「Dranyen|ダムニャン」や楊琴にあたる「Yanzin|ヤンジン」をKONTAKTフォーマットで、シンバルや鈴をはじめとするパーカッション類をBATTERYフォーマットで収録。さらに、4分40秒に渡る特典映像では、楽器の演奏風景のみならず、チベットの民族衣装や民族舞踊、そしてチベット人の温かみ伝わる笑顔の数々が楽しめる構成となっている。
音と映像で織り成すこのコレクションから、古のチベット楽音が伝える独特の空気感、神秘的な世界を体感してほしい。
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