民族楽器やテクノ、ドラム、ギターなどの音源集。DTM、DJ、クリエイター向けのサンプリングCD販売はディスカバリーサウンド。

DISCOVERY DOWNLOADER
HOME購入ガイド用語辞典ライセンスについてリンクムービーお問い合わせ

サンプリングCDを検索します。
サンプリングCD(音素材集)を検索
サンプリング音源(音素材)をダウンロード購入するにはDISCOVERY DOWNLOADER
ランキング
サンプリングCDは全国・全世界送料無料です
タイムドメインスピーカーMarty101
DMJ(Discoverymusic.jp)
DISCOVERY CDプレス


音楽評論家として様々な雑誌のコラム掲載。ラジオやクラブDJとして。また中近東料理のスーパーバイザーとしても活躍中のエキゾ音楽ライターのサラーム海上(うながみ)さんにINDIA SUPRISEを通じて、インドやワールドミュージックの秘めた魅力を語ってもらいました。「エキゾ」とは「ココでないドコか」という意味。

 ここではない何処か、見知らぬ世界へ旅立たせてくれる音楽がワールドミュージックの本質と語るサラーム海上さん。各国を旅して、本物のワールドミュージックを体感しているからを得られた音楽に対する魅力をサラーム海上さんにお聞きしました。

さて、サラーム海上さんは「エキゾ音楽ライター」としてワールドミュージックに深く精通されておりますが、そもそも、ワールドミュージックにハマったキッカケはなんだったのですか??
 子供の頃から、「遠い」事象が好きで、古代エジプトの本や世界地図や図鑑とかを読んだり、近くにあった古墳や平安時代から続く神社とかを一人で訪れたりしていたんです。それが「遠い」音楽にシフトしたのは、小学校の音楽の時間にイヤイヤ聞かされたクラシック曲「ペルシャの市場」とか「クルミ割り人形」とか、いわゆる民族楽派の作曲家の作品かなあ。
 中学校の頃見た映画「レイダーズ」で、インディ・ジョーンズが砂漠で毒を盛られるシーンのバックに「アッラー・アクバル」と非常に異境、異教的な声が流れていて、それを知りたい!と思って、色々調べたらイスラム教のアザーン(コーランを詠む声)だったことがわかってイスラム?中近東の音楽に興味を持ち始めました。
 その後はYMOやテクノに出会い、中高の頃はUKのニューウェイブを聞いていたのですが、80年代末にワールドミュージックが流行り、そこでアルジェリアのブルースこと「ライ」に出会って、それ以来もう20年もワールドを聞いてます。
サラーム海上(うながみ)
音楽評論家/DJ。明治大学政経学部経済学科卒。伝統音楽と現代音楽の出会いをテーマに、中近東やインドを定期的に旅し、現地の音楽シーンをフィールドワークし続ける。著作「PLANET INDIA インド・エキゾ音楽紀行」(河出書房新社)、「エキゾ音楽超特急」(双葉社)、選曲監修したコンピレーションCDに「ヤッラー!ヤッラー!」(東芝)「クラブ・ボリウッド」(ソニー)など。ラジオDJ「ORIENT EXPRESS」(文化放送デジタル)、「TOKIO HOT 100」(J-WAVE)やクラブDJ、講演、中近東料理のスーパーバイザーとしても幅広く活躍中。

公式サイト「サラームの家」
www.chez-salam.com

テクノやニューウェイブなんかも通られたのですね。でもここまでサラーム海上さんが探求してしまうほどのワールドミュージック。一体どのような魅力があるんですか?
 よく「音楽は国境を越える」と言うけど、それは半分以上嘘だと思います。強いて言うなら「世界には国境を越えうる音楽がいくつかある」 というのが正しいでしょう。世界には自分の知らない、理解出来ない文化や文脈や意味を持っている音楽が沢山ある。
 インド古典音楽は一曲が一時間以上あります。しかも序奏部分だけで40分以上ある。そんな音楽を普段3分間のポップミュージックを聞いてる人は理解出来ないし、聞いたって寝ちゃいますよ。モロッコの民族音楽には、日本人が聞いたら、オドロオドロしくて、まるで悪魔信仰の儀式音楽のように聞こえるものもあります。でも、それを現地ではオバチャン達が楽しそうに歌ってたりする。
 人間の理解する能力、想像力は環境に大きく左右されます。良いワールドミュージックを聞くと、「オレが知ってることだけが世界ではない。世界はオレの知らないことばかりだ。それでもこの音楽でオレは感動できる」と謙虚になれます。
なるほど、音楽を通じて「エキゾ」や感動を体感できるということですね。そして実際にサラーム海上さんは日本では非常に珍しい"Yallah! Yallah!"といったワールドミュージックのコンピレーションアルバムもプロデュースされております、この作品はまさしく「エキゾ」や感動を体感できる名作だと思います。そもそもこのアルバムの制作にいたった経緯はどのようなことだったのでしょうか??
 9.11以降、本屋には中近東の本は腐るほど並びました。今なら、インドの高度経済成長の本だっていくらでも出てる。インド株にはウチの両親だって投資してる。そんな時代なのに、レコード屋でワールドミュージックのコーナーに行くと、並んでいるのはボサノヴァやラテン、ケルト音楽、シャンソンくらいで、インドや中近東の音楽は全くと言っていいほど並んでない。日本のレコード業界って世界のスタンダードから取り残されてない?....というのは後付の理由です。本当は、僕がDJでプレイしている曲ばかりでCDRを作って東芝の担当者に渡したら「ウチの音源でコンピを作りましょう!」と言ってくれたんです。
"Yallah! Yallah!"は実際に聞きましたが、「ああ、こんなコンセプトのアルバムがありなのか、先をこされてしまった」、みたない印象を受けました。"Yallah! Yallah!"の発売を前後してワールドミュージックは、私達の身近な存在になりつつある気がしています。例えばベリーダンスがちょっとしたブームだったりしてますが、サラーム海上さんはそういったことを感じられていますか?また感じているとしたらその原因はなんだと思いますか??
Yallah!Yallah!
 エキゾDJをやっていると妖艶な女性のお客さんが激増したので、ベリーダンスは流行っているんだなと実感します。ウチの妻もベリーダンスをやってますし....。
 大抵のダンスは男女ペアで踊るけど、ベリーダンスは女性だけ。それに基本的に形がないので、バレエやインド舞踊や社交ダンスと違って入り口が広い。そして女性の側から(男性の側からでなく)女性の美しさ を表現出来るから、流行っているのだと思います。
今回「INDIA SURPRISE」を監修していただいた久保田麻琴さんもベリーダンスの盛り上がりに注目しているみたいですね。サラーム海上さんと久保田麻琴とは以前からお知り合いとのことですが、どのようなご関係なのですか?
エキゾ道の大先輩。音の錬金術師。フットワークの軽さと、出来上がった音楽のクオリティ&個性にいつも驚かされます。ブルー・アジア「ホテル・ベトナム」のライナーノーツを依頼され、 インタビューさせていただいてから、モロッコやシンガポールに一緒に行ったり、家族ぐるみでおつきあいさせていただいてます。
久保田麻琴さんと旅もご一緒されたことがあるんですね?ちなみに「INDIA SURPRISE」は当然、インドの伝統楽器やフレイズなどを収録した作品です。サラーム海上さんはインドには行かれたことがありますか?
PLANET INDIA
インド・エキゾ
音楽紀行
 インド大好き!毎年年末年始はインドで過ごしてます。これまで古典音楽の音楽祭やデリーやボンベイのクラブ、砂漠の音楽祭などを取材し、沢山の古典や伝統音楽家、DJ達と出会いました。そうした音楽を求める旅を書いた「PLANET INDIA インド・エキゾ音楽紀行」という本を昨年、河出書房新社から出しました。今年も11月に南インドケーララ州、年末年始に北西インドのグジャラート州を訪ねる予定です。
インド音楽の魅力はどのようなところでしょうか??
 古典音楽にしろ、ポップスにしろ演奏能力、作曲能力が高すぎる!古典のマエストロ達の演奏は最初の一音が「ポロン」と鳴っただけで泣けます!ポップスはどんどん欧米化が進んでますが、それでも時々すんばらしい曲があります。そういう曲を求めて毎年、大枚はたいてインド通いを続けているんです!魅力がありすぎてここには書ききれない。クラブ音楽はまだまだこれからです。インドでは伝統的にベース(低音)楽器が存在しなかったので、UK産のバングラなど一部を除いて、低音が足りないクラブ音楽が大半なんです。それにクラブ音楽は音楽性の高さよりも、偶然生まれてしまったニュアンスや刹那的な同時代性を求められます。インド古典&伝統音楽はそれとは逆に、一生をかけて一つの形を追求していく音楽です。音楽性や演奏能力の高すぎるテクノやハウスなんて気持ち悪くて誰も聞きたくはないはず。目指している方向が違う。だからインド本国からイギリスや日本などクラブ音楽先進国の人間を喜ばせるクラブ音楽はなかなか出てこないでしょう。詳しくは僕の「PLANET INDIA インド・エキゾ音楽紀行」を読んで下さい。
確かに、一言でインド音楽の魅力を語るのは難しいですよね。「PLANET INDIA インド・エキゾ音楽紀行」を私も読んで勉強させてもります!そして、インド楽器の音色や演奏を収録している「INDIA SURPRISE」ですが聞かれた感想はいかがでしたか?
インディア・サプライズ
 タブラやシタールの北インド楽器だけじゃなく、ヴィーナやケラルやカンジーラなど南インドの楽器もたっぷり入っているのがイイですね。インド古典音楽はラーガとターラという音楽理論で出来上がっています。ターラとはリズムの体系、ラーガとは旋律と調に関する体系です。 単に調と言い切れないのは、ラーガには調を超えた意味や物語性が存在するからです。「朝のラーガ」や「雨期のラーガ」などの。だからラーガは「調」と訳すよりは、「物語」と訳したほうが感覚的につかみやすいかもしれません。

  僕はこのINDIA SURPRISEを買った方が、この豊富な音源を使ってどんな「物語」を紡ぎ出すかに興味があります。イ ンド音楽では、ラーガのない音楽は意味がないのです。
では、ユーザーが作曲した曲をサラーム海上さんに聞いてもらうという企画はどうでしょう(笑)?インドの音楽は様々な音楽ジャンル、特にエレクトロニックなサウンドとの相性がいいと思うのですがサラーム海上さんはいかが思いますか?
エキゾ音楽超特急
 エイジアン・マッシヴ(インド系のエレクトロニック音楽)のリーダー格カーシュ・カーレイに、その理由を聞いたことがあります。曰く「エレクトロニックな音楽はプログラムが基本だろ。タブラの演奏法はそれに近いんだよ。タブラは拍子を数学的に分解するけど、ファンクは 数学的に分解できない。ファンクはアティチュードだからね。タブラとエレクトロニックな音楽は技術的な面がとても似ているんだ。あるテンポを二倍のテンポにしたり半分にしたりね。だからテクノとタブラの演奏はよく合うんだ」とのことです。
詳しくは僕の本「エキゾ音楽超特急」をお読み下さい!
確かにタブラの音は、規則性があって、フレイズのままでも音楽にピッタリはまってしまいますね。数学的な理論というのがいかにもインドらしいですね。色々とありがとうございます。最後にサラーム海上さんの今後のご活動などありましたら是非教えて下さい!
 文化放送デジタルUnique the Radioで毎週土曜午後2時~4時に僕が選曲構成出演するワールドミュージックの番組「Orient Express」をやってます。インターネットでも同時再送信してますの で、是非お聞き下さい。
ありがとうございました!
「インディア・サプライズ」の詳細・ご購入はこちら