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アルマ・フラメンコ
3月よりお送りして参りました連載『Don Davisのエスニック・ライブラリー活用法』。最終の第3回目は、「アルマ・フラメンコ〜上質な演奏から生み出された魅力」をお届けします。

彼が今回手にしたのは、本場スペインで収録を手掛けた、フラメンコ・サウンド満載の一枚『アルマ・フラメンコ』。「創造性を高める見事なライブラリーに完成している」。このように絶賛した彼は、今作に何を見出したのでしょうか。

第1回:三味線のベストな活用法
第2回:アイヌが誇る、響きの全貌
第3回:アルマ・フラメンコ〜上質な演奏から生み出された魅力
ディスカバリーの
ヨーロッパ・サウンド
:: サンプリングCD
アルマ・フラメンコ
グリーク・ビーツ
フロム・イースト・ヨーロッパ


:: ダウンロード用セット・ファイル
打楽器
弦楽器


Don Davis
ドン・デイヴィス
米国カリフォルニア州アナハイム出身の作曲家。幼少の頃からピアノやトランペットを習い、10代から作曲を始める。オーケストラやジャズの作・編曲から、映画やTVドラマの音楽に至る実に幅広いフィールドで作曲を手掛けている。

映画音楽では、『MATRIX|マトリックス』シリーズ、『JURASSIC PARK3|ジュラシック・パーク3』、『BOUND|バウンド』をはじめとする、日本でもお馴染みの壮大なる楽曲制作を担当。近年ではホーム・スタジオにて音楽制作を続けている。

▼オフィシャル・サイト
http://dondavis.filmmusic.com/
連載第3回:アルマ・フラメンコ〜上質な演奏から生み出された魅力
私はこれまで『三味線』と『スピリッツ・フロム・アイヌ』について述べてきたが、最後に手にした『アルマ・フラメンコ』は、なかでも最大規模のライブラリーだった。実際、今作はCD-ROMとAudio CDの2枚組み。CD-ROMにはwavフォーマットが600ファイル、REX2フォーマットが312ファイル収録されており、一方のAudio CDには、自分でサンプリングするのを好むユーザー向けにCD-ROMと同様の音源が収められている(私のようなハイテク恐怖症には、CD-ROMで提供されているようなサンプリング済みの音源ファイルが嬉しい)。『アルマ・フラメンコ』には、ボンゴ、カホン、 カスタネット(私たちアメリカ人にもお馴染みのカスタネット)、ギター、手拍子、スナップ、タップ、ヴォイスの他、デモ・トラックやアウトテイクも含まれている。パーカッションに関しては、ルンバのリズミカルなパターンで表現されるバリエーション豊富な演奏と共に、ワンショット、装飾音(フラム)、ソロ・ブレイク、そしてフィルが驚くほどに多数勢ぞろい。これは、ディスカバリーのライブラリーがすこぶる多芸多才のセンスを誇れる証であり、パーカッションの演奏に関して言えば、ワールド・ミュージックに繋がりを持たないトラックであっても安心して織り交ぜることができるわけだ。特に手拍子のパターンとフィンガー・スナップは実に好奇心そそるサウンドであり、私たちが既に持っているようなパーカッションを使って自分だけのオリジナリティを演出できる。

ギター・サンプルに関しては、初めて耳にするほど非常に珍しい技巧を伴った演奏であり、私は強く惹かれた。ギター演奏の『One Shot Phrase & Samples』というフォルダには、人を引き付ける見事なまでのリード・フレーズやバッキング、そしてパーカッシヴなリズムで奏でられたミュート奏法によるフレーズが、セット・ファイルとして豊富に用意されている。これらはフラメンコ・スタイルを描写するのに向いている。とりわけ役立つのは、伝統的フラメンコに代表されるメジャー&マイナーのコード・キー上に長く伸びたロールのトラックだ。残りのギター・トラックについては、バリエーションに富んだキーとテンポの下で、ありとあらゆるフラメンコ伴奏を披露している。なかでも、ミュート弦楽器の演奏が織り成す活気溢れるリズミカル・ループ、“Guitarres Mutes con Ritmo”セットは実に面白い。これらの伴奏は、アルペジオcon finalからはじまり、Falsetas、Rasgueo Rhumba、Seguirilla、Sevillana、そしてSoleaパターンへと続く。ハイ・クオリティで収められた煌 びやかな演奏は、一つひとつ熱心に聞き入ってしまうほど、フラメンコの伴奏はその豊富さ、貴重さ、そして好奇心そそる魅力を十分に兼ね備えたものであった。

ヴォーカル・サンプルも同様に、女性・男性・グルー プによる躍動感たっぷりのパフォーマンスが広範囲にわたり多数収められている。アイヌ・ヴォーカルよりも歌詞の内容は一般的だと思うが、製品に歌詞の概要を追記すれば、楽曲への使用を希望する人たちがより一層増えるのではないだろうか。ギター・サンプルと同様、ヴォイスに関しても優秀なヴォーカリストを起用していると思われる。サウンド自体が良質のため、制作での使用に活用的なのは勿論だが、音楽を聴く感覚でヴォイスを流しても感動を覚えるほど、実に素晴らしいヴォイスであった。

さて、私は今回ディスカバリーのサンプリングCDを試用し、次のことを発見した。

「ディスカバリーのライブラリーが抱える最大の強みとは、演奏者が持つクオリティの高さである」。

サンプリングCDに収録の音源は、レコーディングに 起用されたアーティストの創造性に依存し、演奏者の質が製品の価値を左右する、というのは事実。ディスカバリーがこれ程にも優秀なサウンドを生み出せる所以である、と言っても過言ではない。このようにして生み出された音源は、音楽業界において、レコーディング前に演奏展開をクライアントへ提示する、模型レコーディングとしての使用にも最適ではないだろうか。

ディスカバリーはこれからも、真に誇れるライブラリーを世に送り続けてくれることだろう。


アルマ・フラメンコ 楽器のご紹介
:: パーカッション
ボンゴ
キューバ音楽に欠かせない打楽器。音の高さが異なる木製の小太鼓を2つ繋ぎ合わせ、片面に牛皮を張った形状をしており、奏法は両膝にはさんで両手で叩く。叩く部分や指の開き方、膝の閉め具合で音色を豊かに変化させることができる。古来、木をくり抜いて作られた胴に皮が直接鋲(びょう)止めされていたが、最近では樽のように張り合わせた胴に皮の張力調節ができるリム(縁)をつけたものが多い。

カホン
ペルー発祥、ラテンアメリカ育ちの四角い箱型の打楽器(リズムボックス)。スペイン語で「箱/タンス」を意味する。体との密着度が高く、楽器の振動がダイレクトに伝わるため一体感がある。

カスタネット
栗の実を割ったような形状の、スペインや南イタリアの民族打楽器。ローズウッド等の硬い木で作られている。2つの木片の内側に凹みを作り、ヒモで緩く接続して指にかけて打ち鳴らす奏法。オーケストラでは杖に付けて振る、あるいは台に取り付けペダル状にして両手で叩く。スペイン舞踊の伴奏などに用いられ、熟練した奏者や踊り手は両手に1つずつ持って表情豊かな細かいリズムを刻む。

:: 弦楽器
フラメンコ・ギター
形状はクラシック・ギターと同様だが、フラメンコギターには表板の上に保護用のアクリル板(ゴルペ板)が貼られている。素材の木板が全体的に薄く削られ、ボディーは表板・裏板・側板すべてが杉系の木材で作られている。杉は軽く乾いた柔らかさがあり、軽く歯切れの良い乾いた音を演出。弦はクラシック用のガット(ナイロン)弦を使用。コードの押さえ方は、フラメンコ用の演奏では特に開放弦の音を多用して和音に独特の響きを加え、少数の指で押さえて自由のきく指で和音に準じた単音のフレーズを織り込んでいく。